2008年08月14日
バンダ。
今日は雲の出る天気になったものの、概ね青空。雨が降らないので、水不足にまっしぐらです。
最近、来年の高松ウインドシンフォニーの定期演奏会の曲目が少しずつ決まってきているのですが、候補としてレスピーギのローマの祭が上がっています。以前、ローマの松を演奏したことはありますが、バンダや影ラッパなど、結構大変だった記憶があります。(バンダ…オーケストラの編成とは別に金管の楽隊を編成してオーケストラの演奏などに加えるもの。ローマの松では二楽章でトランペットを一人、オーケストラとは離れた影で演奏させ、どこからともなくソロが聞こえると言う効果がなされ、また、終楽章では、原曲にはブッチーナ(Buccina)と呼ばれる古代ローマで使われた金管楽器の別働隊が指定されています。この楽器は水牛の角のような形状の金管楽器で、バルブやピストンもなく音は自然倍音のみしか出す事ができません。レスピーギはソプラノ2、テナー2、バス2の計6本のブッチーナを指定していますが、現実のスコアには自然倍音以外の音も記譜がされており、作曲者の意図としてはプッチーナを使う指定よりも、それをイメージした演奏にして欲しいという意図だったようです。実際にはソプラノとテナーのブッチーナパートはトランペット、そしてバスブッチーナはトロンボーンが用いられる場合が多いようです。またテナーブッチーナーパートは音域が低いためトランペットでは充分な音量を得られにくく、ホルンを用いる場合もあります。レスピーギ自身は、ソプラノとテナーについてはフリューゲルホルン、バスについてはユーフォニウム若しくはバリトンを想定していたようです。実際本物のプッチーナはレスピーギの時代にはすでに存在さえ消滅しており、松の演奏で使われたことは無いようです。)
でも、バンダを入れると、どうしてもバンダが指揮者から遠くなるので、演奏がずれるということに苦労することとなります。
そこで今日の一枚です。

レスピーギ:
「ローマの松」・「ローマの噴水」・「ローマの祭」
指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ
NBC交響楽団
RCA (BMGジャパン)BVCC-9935
このCDはトスカニーニ指揮によるローマ三部作が収録されたものです。録音年代が今から50年以上前なので、すべてモノラル録音になっています。
演奏はまさに精緻なアンサンブルとトスカニーニのカリスマ性に支配されたものといってもいいかもしれません。余分なアゴーギグや表現に溺れる、といったことが一切無いような演奏です。それでいながらオケは非常に優秀で、要所要所のソロでは絶品の音色と表現を見せてくれます。私はどちらかというと、以前にも紹介したデュトワ/モントリオール盤が聞きなれていることもあって好みなのですが、このトスカニーニ盤もなかなかのものです。
ただ、このトスカニーニの演奏は、バンダや金管楽器がなぜか目いっぱい、ぎりぎりの音で吹ききっている感があります。堂々とした感じはあるのですが、必死さが伝わってきてしまうのが逆に少し残念な気もします。あと、ステレオ録音されていたら、この演奏はもっと色彩感あふれるものになったかもしれません。モノラルの録音でも今のステレオ録音に太刀打ちできるほど色彩感が豊かな演奏です。でも、バテもバランスも関係なく思いっきり吹いてるバンダです。ただ、オケの強奏にはこれぐらいやらないとついていけないのかもしれません。
トスカニーニの名演を聞いてみたい方、レスピーギのローマ三部作を聞いてみたい方にオススメの一枚です。
最近、来年の高松ウインドシンフォニーの定期演奏会の曲目が少しずつ決まってきているのですが、候補としてレスピーギのローマの祭が上がっています。以前、ローマの松を演奏したことはありますが、バンダや影ラッパなど、結構大変だった記憶があります。(バンダ…オーケストラの編成とは別に金管の楽隊を編成してオーケストラの演奏などに加えるもの。ローマの松では二楽章でトランペットを一人、オーケストラとは離れた影で演奏させ、どこからともなくソロが聞こえると言う効果がなされ、また、終楽章では、原曲にはブッチーナ(Buccina)と呼ばれる古代ローマで使われた金管楽器の別働隊が指定されています。この楽器は水牛の角のような形状の金管楽器で、バルブやピストンもなく音は自然倍音のみしか出す事ができません。レスピーギはソプラノ2、テナー2、バス2の計6本のブッチーナを指定していますが、現実のスコアには自然倍音以外の音も記譜がされており、作曲者の意図としてはプッチーナを使う指定よりも、それをイメージした演奏にして欲しいという意図だったようです。実際にはソプラノとテナーのブッチーナパートはトランペット、そしてバスブッチーナはトロンボーンが用いられる場合が多いようです。またテナーブッチーナーパートは音域が低いためトランペットでは充分な音量を得られにくく、ホルンを用いる場合もあります。レスピーギ自身は、ソプラノとテナーについてはフリューゲルホルン、バスについてはユーフォニウム若しくはバリトンを想定していたようです。実際本物のプッチーナはレスピーギの時代にはすでに存在さえ消滅しており、松の演奏で使われたことは無いようです。)
でも、バンダを入れると、どうしてもバンダが指揮者から遠くなるので、演奏がずれるということに苦労することとなります。
そこで今日の一枚です。

レスピーギ:
「ローマの松」・「ローマの噴水」・「ローマの祭」
指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ
NBC交響楽団
RCA (BMGジャパン)BVCC-9935
このCDはトスカニーニ指揮によるローマ三部作が収録されたものです。録音年代が今から50年以上前なので、すべてモノラル録音になっています。
演奏はまさに精緻なアンサンブルとトスカニーニのカリスマ性に支配されたものといってもいいかもしれません。余分なアゴーギグや表現に溺れる、といったことが一切無いような演奏です。それでいながらオケは非常に優秀で、要所要所のソロでは絶品の音色と表現を見せてくれます。私はどちらかというと、以前にも紹介したデュトワ/モントリオール盤が聞きなれていることもあって好みなのですが、このトスカニーニ盤もなかなかのものです。
ただ、このトスカニーニの演奏は、バンダや金管楽器がなぜか目いっぱい、ぎりぎりの音で吹ききっている感があります。堂々とした感じはあるのですが、必死さが伝わってきてしまうのが逆に少し残念な気もします。あと、ステレオ録音されていたら、この演奏はもっと色彩感あふれるものになったかもしれません。モノラルの録音でも今のステレオ録音に太刀打ちできるほど色彩感が豊かな演奏です。でも、バテもバランスも関係なく思いっきり吹いてるバンダです。ただ、オケの強奏にはこれぐらいやらないとついていけないのかもしれません。
トスカニーニの名演を聞いてみたい方、レスピーギのローマ三部作を聞いてみたい方にオススメの一枚です。
Posted by のりくん at
18:27
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