2008年09月03日

比較するということ。

天気が悪くなりつつも、まだまだ水不足が続いています。
 さて、このHPも開設してから、既に200日を超えました。皆さんの支えがあってこそ続けられたものだと感謝しています。時にはこんなつまらない文章を読んでいただいて申し訳ない、とすら思っています。本当に感謝です。
 いままで、紹介したCDもすでに200枚を超え、私の所有するCDの5分の一近くを紹介したことになります。すでに私でもどのCDを紹介して終わったかわからなくなるときがあり、今日はこのCDを紹介しよう、と思ってからあわてて、今までの日記を確認することがあります。かぶらないように努力はしていますが、前に紹介したのを忘れてかぶったときはご勘弁ください。
 さて、私はサクソフォーンのCDを中心にクラシック、JAZZその他様々なジャンルのCDを持っていますが、自分の好みで買っているわけなので、その中には同じ曲が大量に含まれています。一番多いのはアルフレッド・デザンクロの「サクソフォーン四重奏曲」です。この曲はサクソフォーンの最も重要なレパートリーの一曲とされ、曲の完成度も高いためか、どの団体でもまず取り組んでいる一曲です。必然的に録音も多くなっています。この曲は聞き比べようと思わなくてもサクソフォーン・カルテットのCDを何枚か買えば、必ず、その演奏の違いを聴くことになります。
 よくいろいろな演奏を聞いて、「いい、悪い」と言いますが、技術的な面を置いて話をすると、「いい、悪い」はあくまで聞いた人の主観で、その人の趣味に他ならない気もします。そこで、比較するときの基準はあくまで、その人の中にある基準なので、場合によっては他の人にはわかりにくいものだったりもします。CDを買って聞くのは別に曲の出来具合を聴くためではなく、その演奏が自分にとって心地よいかどうかの方が重要な気もします。
 別にすべての演奏が完璧な技術である、とは言いませんが、CDをリリースする上では、演奏者もそれなりの覚悟を持って挑んでいるので、本当の意味での比較や評価をするには実は生半可な気持ちで望むべきではないのかもしれません。ただ、私はここでも、感想という形で、いろいろ書いたり難癖をつけたりしてはいるのですが。(笑)
そこで今日の一枚です。



比較するということ。


Reminiscence/Quatuor Alexandre
SNE-566-CD

このCDはアレクサンドル四重奏団によるおそらく唯一のアルバムです。この団体についても私は詳しいことが判らないのですが、カナダの団体のようです。どうも、この団体の名前の由来も、サクソフォーン・カルテットで重要なレパートリーを書いたアレクサンドル・グラズノフにちなんでつけられているようなのですが、詳細は不明です。
 曲目はサクソフォン4重奏曲 (デザンクロ) 、サクソフォン4重奏曲 (グラズノフ) 、サクソフォン4重奏曲 (ラクール) 、透明度 (パイロン) となっています。ここにもデザンクロは収録されています。アンサンブルコンテストなどでこの曲を聞き知っている人は終楽章ばかりに目が行きがちですが、終楽章だけではなく、静かな二楽章の完成度がより重要な気が私だけでしょうか。その点、この演奏は比較的安定度も高く、部分的には様々な表現にチャレンジしたことが伺えます。いろいろな演奏と比較しても演奏自体に遜色はありません。ただ、表現のしかたには好みで好き嫌いは出そうです。グラズノフの演奏もよく楽譜が読み込まれている感じで、好感が持てました。
 サクソフォーンのスタンダードな二曲を聴いてみたい方、また聞き比べてみたい方にオススメの一枚です。


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