2008年05月15日
気軽に気楽に?
今日は昨日と違ってまずまずのお天気です。
さて、演奏会の時に、いつも困るというか、手間がかかるのが選曲。一番いいのは、自分達のやりたい曲をやって、お客さんが喜んでくれることなのですが、問題は客層なのです。我々、アンサンブルで演奏会をするときは一番のお客はやはり、吹奏楽でサックスをやっている学生さんです。で、この客層にあわせて編曲すると、どうしてもアンサンブルコンテスト向けの曲を選択せずにはいられません。
ところが、吹奏楽をやっている人間が思っているほど、アンサンブルコンテストは一般の人々に対してはメジャーではないので、当然、マニアックな選曲になってしまいます。難しいのはそのあたりの選曲のバランスを考えること。一般の方にも受け入れられやすく、しかもアンサンブルコンテストなどで取り上げられやすい曲となると、かなり曲目が限られてしまいます。
また、アンケート。演奏会でアンケートを常に採っているのですが、学生さんに良かった曲、演奏して欲しい曲など書いてもらうと、やはり、自分が演奏したことのある曲、これから演奏する曲などを書きます。これはこれでいいのですが、本来のアンケートの意味はあまり無い解答になってしまいます。
選曲をやる点でいつも悩むのがこのあたりのバランス。おまけに演奏者としてやりたい曲というのもありますので、それがからむとなおさら、選ぶ曲に制限が加わります。私自身は最近、食わず嫌いをやめて、人に言われるがままの曲を文句をいわずにやろうと決めているのですが、人はそれぞれなので、皆が私のように思ってくれるわけではありません。
そうなってくるとやはり、趣旨ごとに違う演奏会を開くのが良いかもしれません。小さい演奏会をこまめに開くと、大きい演奏会では多少マニアックになるにしても、小さい演奏会では融通も利きやすいので、客層によっていろいろに対応しても良いかもも知れません。でも、演奏するほうが大変になりますが…。
何事にしても、気楽に、気軽に楽しめることも入り口には大切なことかもしれないと思う今日この頃です。
そこで今日の一枚。

大序曲《1812年》、ダッタン人の踊り
~ロシア管弦楽曲集/ゲルギエフ
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場管弦楽団
サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場合唱団
オランダ王立海軍軍楽隊員
フィリップス PHCP-21033
このCDはロシアの指揮者、ゲルギエフによるロシアの管弦楽作品集。様々な曲からの抜粋や、序曲などを聞くことが出来ます。
ゲルギエフはモスクワ生まれの指揮者で、1978年にキーロフ劇場(現在のマリンスキー劇場オペラ団バレエ)デビューした人です。35歳で同劇場の芸術監督に就任後はロシア・オペラを積極的に上演しつづけています。また、ロッテルダム・フィル首席指揮者、メトロポリタン歌劇場首席客演指揮者も務めるほか、手兵マリンスキー・オペラ&バレエを引き連れ、世界で公演を行なっています。最近では、ウィーンフィルとの様々な曲の録音を行ったりもしています。
このCDの録音時はオケの名称がまだ、サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場管弦楽団でした。
演奏はロシアらしいエネルギーに満ちたもの。ただ、音の響きは昔のロシアの演奏に比べるとよりインターナショナル化しているように思います。
他にガイーヌから「剣の舞い」や、「ルスランとリュドミュラ」序曲なども収録されています。
大序曲「1812年」はチャイコフスキーの作品で、ポレオンに率いらたフランス軍が、ついに大国ロシアに攻め入り、統率のとれたフランス軍の攻撃に、強大なロシア軍も窮地に立たされましたが、“冬将軍”と呼ばれる大寒波の襲来により、フランス軍はついにはロシアから撤退しました。それから68年後の1880年、に全ロシア産業工芸博覧会の開会式のための音楽を依頼されたチャイコフスキーは悩んだ末、ロシア軍が歴史的勝利をおさめた1812年の戦争を、テーマに作曲しました。 大きく分けて、三つの部分で構成され、一部ではロシアの苦悩が、二部では戦闘の様子が、そして三部ではロシアの勝利が描かれています。クライマックスは何と言っても三部で、大砲の音が轟いたり(現在のコンサートではシンセサイザーなどが用いられますが、かつては実際の大砲を空砲で使っていました)、チャイムが華やかに打ち鳴らされたりします。また、フランス国歌の「ラ・マルセイエーズ」のメロディに対してロシア国家で応戦し、フランス軍の敗退を描きだすといった趣向が使われています。最近では某飲料メーカーの缶コーヒーのコマーシャルや、某製薬会社の鼻炎薬のコマーシャルなどにも使われています。
大砲の轟音とともにチャイコフスキーを聴いてみたい方、ポピュラーなロシア音楽を聴いてみたい方にオススメの一枚です。
(大砲の生音が録音されているCDとしてはエリック・カンゼル指揮、シンシナティ交響楽団の演奏などもあります。)
さて、演奏会の時に、いつも困るというか、手間がかかるのが選曲。一番いいのは、自分達のやりたい曲をやって、お客さんが喜んでくれることなのですが、問題は客層なのです。我々、アンサンブルで演奏会をするときは一番のお客はやはり、吹奏楽でサックスをやっている学生さんです。で、この客層にあわせて編曲すると、どうしてもアンサンブルコンテスト向けの曲を選択せずにはいられません。
ところが、吹奏楽をやっている人間が思っているほど、アンサンブルコンテストは一般の人々に対してはメジャーではないので、当然、マニアックな選曲になってしまいます。難しいのはそのあたりの選曲のバランスを考えること。一般の方にも受け入れられやすく、しかもアンサンブルコンテストなどで取り上げられやすい曲となると、かなり曲目が限られてしまいます。
また、アンケート。演奏会でアンケートを常に採っているのですが、学生さんに良かった曲、演奏して欲しい曲など書いてもらうと、やはり、自分が演奏したことのある曲、これから演奏する曲などを書きます。これはこれでいいのですが、本来のアンケートの意味はあまり無い解答になってしまいます。
選曲をやる点でいつも悩むのがこのあたりのバランス。おまけに演奏者としてやりたい曲というのもありますので、それがからむとなおさら、選ぶ曲に制限が加わります。私自身は最近、食わず嫌いをやめて、人に言われるがままの曲を文句をいわずにやろうと決めているのですが、人はそれぞれなので、皆が私のように思ってくれるわけではありません。
そうなってくるとやはり、趣旨ごとに違う演奏会を開くのが良いかもしれません。小さい演奏会をこまめに開くと、大きい演奏会では多少マニアックになるにしても、小さい演奏会では融通も利きやすいので、客層によっていろいろに対応しても良いかもも知れません。でも、演奏するほうが大変になりますが…。
何事にしても、気楽に、気軽に楽しめることも入り口には大切なことかもしれないと思う今日この頃です。
そこで今日の一枚。

大序曲《1812年》、ダッタン人の踊り
~ロシア管弦楽曲集/ゲルギエフ
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場管弦楽団
サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場合唱団
オランダ王立海軍軍楽隊員
フィリップス PHCP-21033
このCDはロシアの指揮者、ゲルギエフによるロシアの管弦楽作品集。様々な曲からの抜粋や、序曲などを聞くことが出来ます。
ゲルギエフはモスクワ生まれの指揮者で、1978年にキーロフ劇場(現在のマリンスキー劇場オペラ団バレエ)デビューした人です。35歳で同劇場の芸術監督に就任後はロシア・オペラを積極的に上演しつづけています。また、ロッテルダム・フィル首席指揮者、メトロポリタン歌劇場首席客演指揮者も務めるほか、手兵マリンスキー・オペラ&バレエを引き連れ、世界で公演を行なっています。最近では、ウィーンフィルとの様々な曲の録音を行ったりもしています。
このCDの録音時はオケの名称がまだ、サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場管弦楽団でした。
演奏はロシアらしいエネルギーに満ちたもの。ただ、音の響きは昔のロシアの演奏に比べるとよりインターナショナル化しているように思います。
他にガイーヌから「剣の舞い」や、「ルスランとリュドミュラ」序曲なども収録されています。
大序曲「1812年」はチャイコフスキーの作品で、ポレオンに率いらたフランス軍が、ついに大国ロシアに攻め入り、統率のとれたフランス軍の攻撃に、強大なロシア軍も窮地に立たされましたが、“冬将軍”と呼ばれる大寒波の襲来により、フランス軍はついにはロシアから撤退しました。それから68年後の1880年、に全ロシア産業工芸博覧会の開会式のための音楽を依頼されたチャイコフスキーは悩んだ末、ロシア軍が歴史的勝利をおさめた1812年の戦争を、テーマに作曲しました。 大きく分けて、三つの部分で構成され、一部ではロシアの苦悩が、二部では戦闘の様子が、そして三部ではロシアの勝利が描かれています。クライマックスは何と言っても三部で、大砲の音が轟いたり(現在のコンサートではシンセサイザーなどが用いられますが、かつては実際の大砲を空砲で使っていました)、チャイムが華やかに打ち鳴らされたりします。また、フランス国歌の「ラ・マルセイエーズ」のメロディに対してロシア国家で応戦し、フランス軍の敗退を描きだすといった趣向が使われています。最近では某飲料メーカーの缶コーヒーのコマーシャルや、某製薬会社の鼻炎薬のコマーシャルなどにも使われています。
大砲の轟音とともにチャイコフスキーを聴いてみたい方、ポピュラーなロシア音楽を聴いてみたい方にオススメの一枚です。
(大砲の生音が録音されているCDとしてはエリック・カンゼル指揮、シンシナティ交響楽団の演奏などもあります。)
2008年05月15日
魔法が使いたい気分。
今日は比較的良いお天気で、気温もぐんぐん上がる一日となりました。
最近、仕事が溜まる一方です。自分の仕事の上に、他部署から押し付けられた仕事がドンドンと溜まっていきます。
おかげで残業続き。残業代が出ればいいのですが、そう簡単に残業代がつくわけでもなく、勿論サービス残業。
本当に魔法が使えて仕事がいっぺんに片付かないかと、ありもしないことを考えてみたりします。
さて、そこで本日の一枚。
VIVE LA FRANCE!
魔法使いの弟子/デュトワ/フレンチ・コンサート
LONDON (ポリドール) F32L-20312
このCDはデュトワ/モントリオール響によるフランス音楽の作品集。シャブリエの「狂詩曲スペイン」やイベールの「喜遊曲」なども収録されています。
魔法使いの弟子といえば、ディズニーのファンタジアにも取り上げられた曲です。ミッキーマウスの魔法使いの姿をどこかで見たことがあるかもしれません。ファンタジアを見た方はあの通りなのですが、ストーリーとしては魔法使いの大先生の弟子が大先生の唱える呪文を盗み聞いて大先生が留守の間に箒に呪文をかけて家事や雑用をさせてしまおうとするのですが、箒に風呂に水を汲んで入れる呪文をかけたまではいいのですが、呪文のとき方を知らない弟子は止めることが出来ず、最後にはパニックに陥ってしまいます。家中水浸しの状態。そこに大先生がようやく帰宅し、呪文を一括して水をかたずけてしまう、というものです。曲を聞くと情景が浮かんでくるようです。ディズニーがファンタジアでこれを映像化したのもわかる気がします。
このように全編、気楽に楽しめる音楽が多いアルバムです。ポップスはありませんが、まさしく、ちょっと気軽なファミリーコンサート風の選曲です。
魔法使いの弟子を聴いてみたい方、気楽にフランス音楽に触れてみたい方にオススメの一枚です。
最近、仕事が溜まる一方です。自分の仕事の上に、他部署から押し付けられた仕事がドンドンと溜まっていきます。
おかげで残業続き。残業代が出ればいいのですが、そう簡単に残業代がつくわけでもなく、勿論サービス残業。
本当に魔法が使えて仕事がいっぺんに片付かないかと、ありもしないことを考えてみたりします。
さて、そこで本日の一枚。
VIVE LA FRANCE!
魔法使いの弟子/デュトワ/フレンチ・コンサート
LONDON (ポリドール) F32L-20312
このCDはデュトワ/モントリオール響によるフランス音楽の作品集。シャブリエの「狂詩曲スペイン」やイベールの「喜遊曲」なども収録されています。
魔法使いの弟子といえば、ディズニーのファンタジアにも取り上げられた曲です。ミッキーマウスの魔法使いの姿をどこかで見たことがあるかもしれません。ファンタジアを見た方はあの通りなのですが、ストーリーとしては魔法使いの大先生の弟子が大先生の唱える呪文を盗み聞いて大先生が留守の間に箒に呪文をかけて家事や雑用をさせてしまおうとするのですが、箒に風呂に水を汲んで入れる呪文をかけたまではいいのですが、呪文のとき方を知らない弟子は止めることが出来ず、最後にはパニックに陥ってしまいます。家中水浸しの状態。そこに大先生がようやく帰宅し、呪文を一括して水をかたずけてしまう、というものです。曲を聞くと情景が浮かんでくるようです。ディズニーがファンタジアでこれを映像化したのもわかる気がします。
このように全編、気楽に楽しめる音楽が多いアルバムです。ポップスはありませんが、まさしく、ちょっと気軽なファミリーコンサート風の選曲です。
魔法使いの弟子を聴いてみたい方、気楽にフランス音楽に触れてみたい方にオススメの一枚です。