2007年12月27日

定番。

この記事は2004年3月12日に書かれた記事を加筆修正したものです。

師走、年も押し詰まってまいりました。毎年思うこそですが、何故かこの時期になると忙しくなります。正月といえば、定番の行事がいくつかあるわけですが、この時代にそぐわないような定番の行事もある気がするのですが、それはそれで年中行事として慣例化しているので、それでもいいのかもしれませんが…。定番には定番になる理由があるのかもしれません。
さて、今日の一枚。定番と言えば、今日の「展覧会の絵」は、

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ラヴェル/ボレロ、スペイン狂詩曲
グラモフォン(ポリグラム、ポリドール)POCG-50035

これは、カラヤンの録音の中で一番新しい「展覧会の絵」(多分)。カラヤンの功罪についてはいろいろ言われていますが、音楽の録音に関してや、クラシックを一般大衆化するための一翼を担っていたことは間違いないと思います。このCDは、必ず、サックス吹きが聞く定番の展覧会。
 全体的にやや遅めのテンポ作りでプロムナードもゆったりした感じです。トランペットの音が柔らかく、非常に美しいレガートで演奏されています。曲の細かいディティールまでよく表現されていると思います。割と明るい響きもするのですが、全体的に表現がやわらかく、部分的にはパンチの足りない演奏のような気もします。アチェルランドはあまり急激にはやりません。
 全編フレーズ感がとても長く感じられるつくりです。ただ、古城のサックスソロは、以外にもテンポが速くなっています。このソロはクラシカルサクソフォーン界の巨匠、故ダニエル・デファイエ氏によるもの。カラヤンは展覧会や、ボレロを演奏する時には必ず、デファイエ氏にソロを依頼していたと言います。ソロは、音色も表現も一級品の間違いなくぴか一です。早めのテンポも、この表現にはぴったりのテンポだと感じます。
 ババ・ヤーガーとキエフの間は結構派手に開けています。また、キエフのトランペットは、4小節ごとの後半の2分音符も確実に旋律のフレーズとして捉え、アクセンティックに吹くことはありません。
 全体的にスケールを大きく捉えようとする向きが感じられる演奏です。巨大なキャンバスに質の良いカラフルな絵の具と、筆で途切れない線を引きながら描かれたようなイメージ。
 サックスを吹いている人はもちろん、小細工しない演奏が聞いてみたい方にオススメ一枚。


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