2008年07月05日

サックスを教えること、学ぶこと。

 さて、たまに中学校に行って中学生にサックスを教えてくることがあります。えるといっても私は素人で、専門的なことを何一つ学んだことが無いので、たいしたことは出来ません。私はサックスに関してはレッスンや専門的指導を受けたことが一度もありません。そのため、既成概念にとらわれる事無く、いろいろ自分で考えながらやってきた反面、直接的に近道になるヒントを与えてくれる人もあまりいなかったので、かなり余計な回り道をしたのかもしれません。それで、いまだになかなか上達しないのかもしれませんが、自分が試行錯誤したことは人に教えるときは役に立ちます。
 でも時々思うのですが、わざわざ回り道してもらうことも教えるときには大切なのかもしれません。間違いを体験したあとに得られた正解は本当に自分の物にすることが出来るのだと思います。
 最近は学校でもどこでも、危険を回避することばかりに意識が行っているようですが、我々が子どもだった時代に同じように危険を回避していなかったからと言って、事故が多かったとも思えません。保障や賠償責任の問題で神経質になることも多いですが、自己責任とは相手に責任を問うだけでなく自分の過失を覚悟することだと思うのです。そう考えると今の学校教育は実情と逆行している部分が多いのかもしれません。そもそも先生たちが、正解を教わってきた人たちなので、間違いを体験する前に正しいことを教えてしまうのかもしれません。(全てとは言いませんが。)体験に基づかないことはなかなか、自分の物にならないと思うのですが、どうなのでしょうか。
 特にサックスを教えるときは、これが正解と教えても、すぐには出来ません。それを消化して、実際に出来るようになるまでは意識を変えるほかに体に覚えさせることも必要だからです。だから、レッスンを受けても練習しない人は絶対に上手くならないと思うのです。
 私はサックスをいろいろなレコードや、CD等で学びました。それはサックスの演奏に限らず、また、ジャンルに限らずです。昨日、中学生にサックスの演奏のCDを持っているかどうか聞いてみましたが、誰も持っていませんでした。私としては信じられないのですが、最近の人たちはそうなんでしょうか?自分がサックスをやっていても、J-POPのCDしか買わない、聴かないという人は多いのでしょうか?だとすると、ちょっと寂しくなってしまいます。私のように100枚を超えるようなサックスのCDを買えとは言いません。せめて、自分の理想とする音を奏でる奏者のCDぐらいは愛聴して欲しいのです。もちろん、他のジャンルや楽器の演奏も出来るだけ興味を持って聴いてほしいのですが。
そこで今日の一枚です。


サックスを教えること、学ぶこと。

バルトーク/弦楽四重奏曲全集
アルバン・ベルク四重奏団
東芝EMI TOCE-7961~63

このCDはアルバン・ベルク四重奏団の演奏によるバルトークの弦楽四重奏曲集です。1984年から1986年にかけてレコーディングされたものです。
アルバン・ベルク四重奏団は当時ウィーン音楽大学の教授を務めていた4人の若手奏者によって結成されたカルテットです。
 バルトークは近年、アレンジされて吹奏楽コンクールなどでもその曲を聞くようになりましたが、日本人にとってはまだまだ馴染みの薄い作曲家かもしれません。バルトークは、シェーンベルク、ストラヴィンスキーと並ぶ20世紀前半を代表するハンガリー の作曲家で、仲のよかったコダーイと共にハンガリー、チェコ、スロヴァキアなど東欧諸国の民謡を集め、楽譜に起こし、自らの前衛的な音楽語法に取り入れて曲を作り出すという技法に特徴があります。第2次大戦中、アメリカに亡命しましたが、後年はあまり幸福な人生を送れず、最後は白血病に倒れてなくなってしまいました。
 一時期、サックスのカルテットの演奏の参考に弦楽四重奏を聞いてみようと思い購入したCDです。クラシック・サックスの神様、マルセルミュールも弦楽四重奏にヒントを得て、サックス四重奏を創始したといわれていることからも、是非、弦楽四重奏を聞いておくべきだと思ったのです。
 で、何故に、ベートーヴェンとかじゃなく、バルトークかというと、サックスアンサンブルが盛んに作られ始めた時代に近い作曲家だったから、という理由でした。
 アルバン・ベルクの演奏はかなり厳格でシャープなイメージの演奏です。あまり贅肉を感じない演奏とも感じます。元々、バルトークの弦楽四重奏曲自体が厳格なイメージの曲なので、この辺、ぴったりはまっている演奏と感じるか厳格に過ぎてきびしすぎると感じるかはそれぞれかもしれません。
 バルトークの弦楽四重奏曲を聴いてみたい方、ベートーヴェンとも、ラヴェルとも、ドビュッシーとも違う弦楽四重奏を聴いてみたい方にオススメの一枚です。



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