2007年12月22日

いよいよ明日。

この記事は2004年3月7日に書かれた記事を加筆修正したものです。


今日は、朝から雨の一日になっています。12月のこの時期、雪になってもおかしくないのでしょうが、今日は冷たい雨の日になっています。
さて、いつもなら、今日の一枚と言うところなのですが、「展覧会の絵」のプレ企画として、最後にもう一度展覧会の絵についておさらいしておこうと思います。何事も次に進むま絵に確認と復習は必要だと思いますので。
 ムソルグスキーは1839年生まれのロシアの作曲家。彼は、革命の嵐により貴族としての地位を失い、以後、決して恵まれた人生を歩んではいません。キュイ、バラキエフ、ボロディン、コルサコフらと組んだいわゆる「5人組」で音楽活動を行ないます。ムソルグスキーの作品にリムスキーコルサコフによる補作が多いのはこのためだと思われます。
 「展覧会の絵」は、若くして亡くなったムソルグスキーの友人で、建築家ハルトマンの遺作展覧会での印象を、ムソルグスキーが、ピアノ曲として作曲したものです。曲間にプロムナードと言う部分が挿入され、それがあたかも美術館の廊下を絵から絵に歩いていくかの様な効果を生んでいます。
 しかし、当時演奏会では1度も演奏されることはありませんでした。尚、彼の死後5年も経ってから出版されたものでした。
 この時点ではまだ、ピアノ曲、と言う位置付けなのですが、後には様々な編曲者の手により、管弦楽曲として演奏されることもあったようです。その中で最も有名なのは、モーリス・ラヴェル。曲が作られてから、約40年後、指揮者クーセヴィツキーの依頼により、ラヴェルがオーケストラ用にアレンジしたものです。
 今では、「展覧会の絵」と言うと、ムソルグスキーのオリジナルではなく、このラヴェル編によるものを指すことすらあります。
もちろん、ラヴェル以外にも、レオナルディ、カイリエ、ストコフスキー、ゴルチャコフ、アシュケナージ、といった人々による編曲もあります。
 しかし、考えてみると、ムソルグスキーと言う人は、「禿山の一夜」にしろ、「展覧会の絵」にしろ、第三者の手を経たものの方が有名になっていると言う不思議な作曲家です。おそらく、作り出すメロディーや、しっかりとしたモティーフによるところが大きいのかもしれません。
 私が、何故、この曲に興味を持つようになったかと言うと、この曲のラヴェル版は、オーケストラの中では、数少ないサクソフォーンが登場する曲であるからなのです。
曲は、ピアノ版よりもプロムナードが少ないなどの違いがありますが、ラヴェルのオーケストラ版では、以下のようになっています。
組曲《展覧会の絵》
1. プロムナード
2. こびと
3. プロムナード
4. 古城
5. プロムナード
6. テュイルリー
7. ビドロ
8. プロムナード
9. 殻をつけたひなどりのバレエ
10. サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
11. リモージュ
12. カタコンブ
13. 死せる言葉による死者への話しかけ
14. 鳥の足の上の小屋
15. キエフの大門

いろいろ、小難しいことを書きましたが、明日からの企画、お楽しみに!!(多分、読者の少ないこのブログ、誰も楽しみにしていない気が…)



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