2007年12月17日

春が来た。(2004年3月3日の記事改訂版)

この記事は2004年3月3日に書かれた記事を加筆修正したものです。

前回までの日記に、夏は苦手だ、などといろいろ言っておきながら今日は職場からの帰りに寒さのため、早く暖かくならないかな~などと思ってしまいました。本当は春が来るのが嬉しいのかもしれません。でも、でも、夏は苦手です。暑さに弱いので。
 春といえば梅、そして桜、卒業、入学などというキーワードも浮かんできます。月並みですが。4月8日は花祭りというのもありますね。確かお釈迦様の誕生日。お釈迦様に甘茶をかけるあれです。
なぜか日本は建前上は仏教が主流の国なのに最近は花祭りという行事のことをあまり知らない人もいるようです。クリスマスであれだけ騒いでおきながらちょっと不思議な気もします。
そこで今日の一枚。

ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」(1921年版)
シャルル・デュトワ指揮
モントリオール交響楽団

この曲のテーマは平たく言えば異教徒の祭礼と生贄の儀式。かなり血なまぐさいものを想像させますが、実はその通り。
このデュトワ盤は、この音楽を色彩豊にみずみずしく聞かせてくれます。完璧ともいえるリズムとアインザッツも聴き物。また管楽器の演奏も秀逸です。
 ところでこの曲の冒頭にはファゴットのソロが登場するのですが、デュトワ盤といわず、最近の演奏は綺麗に美しく吹きすぎるきらいがあるようです。もともと、低音を奏でるべきファゴットに無理やり高い音を吹かせて絞め殺したような音色の効果をストラヴィンスキーは狙っていたようなのですが、最近の演奏者は技術的にもレヴェルが高く、楽器もいいものを使っているのでものすごく、コントロールされた美しい旋律に聞かせてしまうようです。どちらが正解で、どれがいい、というのは無いと思うのですが、無理やりやろうとして破綻した美しさ、というものも世の中には存在するのかもしれません。
 美しい戦慄も持ちながら、終始エキゾチックなリズムと、管楽器による咆哮に支配されている感覚を受けます。
録音も秀逸なのでストラヴィンスキーの音楽に触れてみたい人にはオススメの一枚です。また、アンセルメ/スイスロマンド管弦楽団
の演奏や、ドラティ/デトロイト交響楽団の演奏なども精緻なアンサンブルが聞けて、ストラヴィンスキーの音楽を味わえる一枚としてオススメです。


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