2008年04月23日

私の楽器、アルト・サクソフォーン

今日も楽器ネタです。私のアルト・サックスはフランスのH.セルマーというメーカーの物です。MADE in おフランス。そういえば、現在日常使っているものでフランス製のものはあまり見かけません。まあ、サクソフォーンという楽器が誕生して今のようになった歴史は様々言われているのでここで書くことではないと思うのですが、一つ確実にいえることは、クラシックで使われる管楽器の中では、ダントツに歴史が浅いことです。それに加え、フルートやクラリネット、オーボエなどに比べて音を出しやすく、キーの操作も機能的で扱いやすいので、サックスは易しい楽器という認識を持つ人が多いようです。
 確かに、入り口は広い楽器だと思います。ただ、奥は結構深い。
どの世界でもそうですが、極めるとなると大変です。
 で、私の楽器の話に戻りますが、セルマーというメーカーの楽器はサックス吹きにとっては超メジャーな楽器でこの名前を知らないとサックスを本当に吹いているのかどうかさえ、疑われてしまいます。私はそのセルマーのスーパーアクション80シリーズ2という機種の楽器を使っています。少し古い楽器なので世代的にも一世代前の楽器です。ただ、現行の機種でもあるので思いっきり古い、とかヴィンテージとかいうことではありません。同じサックスなんだからどれも同じ音だろうと考えるのは大間違いで、メーカー、機種、そして、もちろん個体差によって個性があります。5万円の楽器と100万円の楽器でどちらも同じサックスだから5万でもいいじゃない、と言われる方々、車が全部軽自動車でもいいかどうか考えてみてくださいね。楽器にも用途に応じたものと、好みに応じた個性があるのです。見た目は同じようでも作りはかなりちがう楽器もあります。
 で、私の楽器は選びも吹き比べも何もせず、1点買い。というよりは実物見ずに注文買いでした。当たり外れなどきにしていなかったあの頃、良くそんな冒険をしたな、と今でも思います。当時でも40万円を超える値段だったので、いま、考えると大変です。
さて、そこで今日の一枚。

Marcel Mule Historical Recordings
Marcel MULE (ミュール)
グリーンドア音楽出版 GDCS-0006

このCDは数年前、東京に行ったときに手に入れました。購入先は銀座の山野○器。マルセル・ミュールの1930年代から1950年代にかけてのSP盤への録音を復刻編集したものです。音源としては昨日紹介したCDや、以前紹介した「サクソフォンの芸術」に収録されているものばかりですが、クリストファー野沢氏による復刻のこのアルバムは他のアルバムより鮮明にミュール氏の音色を拾っているように聴こえます。おそらく、元のSPの状態の良いものを使用しているのかもしれません。また、解説は日本サクソフォン協会の役員でミュール氏とも親交のあった松沢増保氏によるもので参考文献としての価値もあると思います。
 この文章を読んでマニアックと思われる方、確かにマニアックですが、このCDに限らずミュール氏の音を是非聞いてみてください。
必ずサクソフォーン観が変わります。
 ミュール氏の音色、ミュール節を思う存分楽しめる一枚です。
昨日の一枚同様、サクソフォーンを吹く、吹かないにかかわらず、サクソフォーンを愛する全ての方にまた、サクソフォーンというとJAZZの楽器と思われる方に是非聞いていただきたいオススメの一枚です。

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