2008年04月22日
頭の中は。
さて、高松ウインドシンフォニーの定期演奏会が終わりました。最近、演奏会の話題や楽器についての書き込みが多いこの日記です。それだけ演奏会のことで頭の中が一杯になっていたのかもしれません。「宇宙の音楽」の本番や、「動物の謝肉祭」の本番は死にそうでした。
でも、今日も楽器のことを書きます。(笑)
私がサックスという楽器に出会ったのは中学の吹奏楽部。当時はバリトンサックスを吹いていました。それなりに練習もしましたが、きちんとした専門の指導者がいるわけでもなく、師匠はいつも中学校の先輩でした。それは高校でも同じことで、専門の方に教えてもらう事無く、先輩に教わったことを自己流に消化していく日々でした。当時はロクに勉強もせず、頭の中は吹奏楽やサックスのことで一杯だった日々でした(笑)。
一つ悔やまれるのはいまだにきちんとした人に指導をしてもらっていないので自分のしていること、考えていることが正しいか間違っているか全くわからないことです。ヘタクソながらも中学生に教えてやってください、とか言われるのですが、我流で身に付けてきたことを果たして教えていいものか、不安です。またきちんとした教え方をされていない私は、どちらかというと教え方もヘタクソかもしれません。
で、周囲の人曰く、私の演奏にも特徴があるようで、私に教わった中学生がどうなるかというと、まず、音がでかくなります。(爆)私は表現するためには音が相手に届いてナンボだと思っているので、音を美しくするよりも楽器がきちんと鳴ることの方を重視します。もちろん、音量が増えれば、次は音色の美しさを追求しにかかるわけですが、特に中学生なんかはのびのびとしたしっかりとした音量で吹くことが大切だと思っているのです。
また、表現が大げさになります。必要以上にやるわけではないのですが、表現しているのがわかるぐらいにはいろいろなことをやる必要があります。
どちらも大は小を兼ねる、ではありませんが、大きい方が出来ると、小さい方にも対応できると思っています。MAXの音量を上げるのは苦労しますが、音量を絞ることはそれよりは楽です。ダイナミックレンジを広げるためにも、しっかりした音を出す努力をします。
まあ、故に音がでかすぎると言われて顰蹙を買うことも多いのですが。(笑)
しかし、音色を追求していないわけではありません。常に理想の音色を見つけて追求しています。
そこで今日の一枚。
Marcel Mule 'Le Patron' of the Saxophone
Marcel MULE (ミュール)
Francois COMBELLE (コンベル)
ギャルド・レピュブリケーヌ・サクソフォン4重奏団
指揮:Phillipe GAUBERT
パリ音楽院室内管弦楽団
Clarinet Classics CC-0013 (輸入盤)
このCDはマルセル・ミュールの演奏を中心に収録されたもの。SP版からの復刻音源によるもののようです。今では音源も無く、ほとんど音を聞くことの出来ないコンベル(ミュールのギャルド時代の先輩?)の音を聞くことも出来ます。ただ、コンベルとミュールの演奏は技法的にも音色的にも一線を画するものを感じます。やはり、現在のクラシカルサクソフォーンの源流とも言うべきものはミュールにあるのではないかと感じてしまいます。
ミュールの音は弦楽器にも似た太くて柔軟性に富んだ音色、しかも完璧なまでのテクニック。クラシックサクソフォーンの表現にビブラートを取り入れた人物としても有名です。弦楽器のビブラートにヒントを得たとも、jazzの技法にヒントを得たとも言われています。まさに天才のなせる技かもしれません。当時はクラシックのサックスでビブラートをかけることなど考えもしていない人が沢山いた時代のはずですが、それをやってしまうところにも凄さがあります。私の想像するに当時はまだサクソフォーンはクラシックの中ではクラリネットの親戚の楽器というぐらいしか認識が無かったのだろうと思いますが。ビブラートを禁じ手と見ていたクラシックのクラリネットの世界でも徐々にビブラートを使用する奏者が増えているようです。
まさにミュール氏自身が「私は宇宙人」と言っていたように尋常な思考ではなかったのかもしれません。頭の中で何を考えて演奏していたのか無くなった今では想像するしかありませんが。
あのチャーリーパーカーでさえ、ミュールのことを師と仰いでいたとも言われます。
確かに演奏、ビブラートをはじめとした表現は古さを感じる演奏ですが、いつ聞いても新鮮な発見があります。
サクソフォーンを吹く、吹かないにかかわらず、サクソフォーンを愛する全ての方にオススメの一枚です。
でも、今日も楽器のことを書きます。(笑)
私がサックスという楽器に出会ったのは中学の吹奏楽部。当時はバリトンサックスを吹いていました。それなりに練習もしましたが、きちんとした専門の指導者がいるわけでもなく、師匠はいつも中学校の先輩でした。それは高校でも同じことで、専門の方に教えてもらう事無く、先輩に教わったことを自己流に消化していく日々でした。当時はロクに勉強もせず、頭の中は吹奏楽やサックスのことで一杯だった日々でした(笑)。
一つ悔やまれるのはいまだにきちんとした人に指導をしてもらっていないので自分のしていること、考えていることが正しいか間違っているか全くわからないことです。ヘタクソながらも中学生に教えてやってください、とか言われるのですが、我流で身に付けてきたことを果たして教えていいものか、不安です。またきちんとした教え方をされていない私は、どちらかというと教え方もヘタクソかもしれません。
で、周囲の人曰く、私の演奏にも特徴があるようで、私に教わった中学生がどうなるかというと、まず、音がでかくなります。(爆)私は表現するためには音が相手に届いてナンボだと思っているので、音を美しくするよりも楽器がきちんと鳴ることの方を重視します。もちろん、音量が増えれば、次は音色の美しさを追求しにかかるわけですが、特に中学生なんかはのびのびとしたしっかりとした音量で吹くことが大切だと思っているのです。
また、表現が大げさになります。必要以上にやるわけではないのですが、表現しているのがわかるぐらいにはいろいろなことをやる必要があります。
どちらも大は小を兼ねる、ではありませんが、大きい方が出来ると、小さい方にも対応できると思っています。MAXの音量を上げるのは苦労しますが、音量を絞ることはそれよりは楽です。ダイナミックレンジを広げるためにも、しっかりした音を出す努力をします。
まあ、故に音がでかすぎると言われて顰蹙を買うことも多いのですが。(笑)
しかし、音色を追求していないわけではありません。常に理想の音色を見つけて追求しています。
そこで今日の一枚。
Marcel Mule 'Le Patron' of the Saxophone
Marcel MULE (ミュール)
Francois COMBELLE (コンベル)
ギャルド・レピュブリケーヌ・サクソフォン4重奏団
指揮:Phillipe GAUBERT
パリ音楽院室内管弦楽団
Clarinet Classics CC-0013 (輸入盤)
このCDはマルセル・ミュールの演奏を中心に収録されたもの。SP版からの復刻音源によるもののようです。今では音源も無く、ほとんど音を聞くことの出来ないコンベル(ミュールのギャルド時代の先輩?)の音を聞くことも出来ます。ただ、コンベルとミュールの演奏は技法的にも音色的にも一線を画するものを感じます。やはり、現在のクラシカルサクソフォーンの源流とも言うべきものはミュールにあるのではないかと感じてしまいます。
ミュールの音は弦楽器にも似た太くて柔軟性に富んだ音色、しかも完璧なまでのテクニック。クラシックサクソフォーンの表現にビブラートを取り入れた人物としても有名です。弦楽器のビブラートにヒントを得たとも、jazzの技法にヒントを得たとも言われています。まさに天才のなせる技かもしれません。当時はクラシックのサックスでビブラートをかけることなど考えもしていない人が沢山いた時代のはずですが、それをやってしまうところにも凄さがあります。私の想像するに当時はまだサクソフォーンはクラシックの中ではクラリネットの親戚の楽器というぐらいしか認識が無かったのだろうと思いますが。ビブラートを禁じ手と見ていたクラシックのクラリネットの世界でも徐々にビブラートを使用する奏者が増えているようです。
まさにミュール氏自身が「私は宇宙人」と言っていたように尋常な思考ではなかったのかもしれません。頭の中で何を考えて演奏していたのか無くなった今では想像するしかありませんが。
あのチャーリーパーカーでさえ、ミュールのことを師と仰いでいたとも言われます。
確かに演奏、ビブラートをはじめとした表現は古さを感じる演奏ですが、いつ聞いても新鮮な発見があります。
サクソフォーンを吹く、吹かないにかかわらず、サクソフォーンを愛する全ての方にオススメの一枚です。
Posted by のりくん at 00:57│Comments(0)