2008年01月12日

異端派か正統派か。パート2。

この記事は2004年3月27日の記事を加筆修正したものです。

 先日、街を歩いていると、とある会話が聞こえてきて少し気になりました。何気ない学生さんの会話なのですが「○○はアリでしょ。○×は無いけどねー。」因みに○○とか、○×のところには人名が入ります。
色々、表現はあるかと思いますが、イケてる、イケてない、あるいは、アリ(あえてカタカナ表記)、無し、と言う言葉は、どうやら最近、自分の枠当てはまるか当てはまらないか、あるいは、自分の感性として許せるか許せないかと言う表現になっているようです。
まあ言葉は時代によって表現が変化していくものですし、わたしごときが乱れた日本を憂い悲しむ立場でもないのですが、問題は、ニュアンスを伝えるべき言葉を全て割愛して、アリ、無しや、イケてるイケてない、と言う表現で伝えようという部分のような気がします。仲の良い友人や仲間としゃべってる時は良いのですが、そのうち読書感想をしゃべる時まで「エリス(舞姫)は、私的にはナシだと思います。」やら、「ヤマアラシ(坊ちゃん)は、俺的にイケてないと思う。」などといわれるようにならないことを祈るばかりです。
このような表現は最初は異端だったと思うのですが、いつのまにか普及してしまったようです。確かに人間、楽につかえる言葉や曖昧な表現を好みますので、広がるのは早かっただろうなと思いますが。果たして、今の日本人にとっての、正統派とは言わないまでも、正しいスタンダードな日本語とは、どんなものなのでしょう。ましてや、こんなことを書いている私は異端?正統?アリ?無し?。
さて、そんなところで今日の一枚。

イエスタデイ~クラシックミート・ポップス/
ベルリンフィル12人のチェリスト達
アーリン・オージェ(ソプラノ)
ワーナーミュージックジャパン(テルデック) WPCS-21042

このCDは、先日紹介した東京中低域のところにも書いたあの、ベルリンフィル12チェリステンの演奏。内容はバッハのフーガの技法からヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ、さらにはビートルズまで、と言う幅広いもの。どちらかと言うと、ファミリー向けの演奏会や、高校生の定期演奏会のような曲目かもしれません。当然ですが、基本的に演奏は全てチェロです。この中のブラジル風バッハ第一番は、以前(といっても随分前)、乗泉寺吹奏楽団のサクソフォンアンサンブルが編曲し、SAX8重奏で、全国大会で演奏していました。私も、自分の所属するアンサンブルで1楽章を演奏してアンサンブルコンテストに出たことがあります。(結果は聞かないで下さい)
 演奏は、さすがベルリンフィル、チェロらしい美しいく豊な音色と、チェロらしからぬテクニックと精緻なアンサンブルを聞かせてくれます。ただ、残念なのは録音が今ひとつ。1977からの録音なので、そんなに悪い録音では無いのですが、なぜか録音された音のレンジが狭い感じがします。私の想像では、LP用にマスタリングされたテープをあまりリマスタリングなしでそのままCD用に流用したからではないかと思います。
 しかし、録音のことを差し引いてもすばらしいい演奏です。その他ウエストサイドストーリーからマリアなどや、ハンディのセントルイスブルースなども収録されていますので、聞きやすい一枚です。尚、最近ベルリンフィルの12チェリステンはポップス系のアルバムもいくつかリリースしています。興味のある方はそちらもどうぞ。
 チェロの音色の好きな方や、クラシックにを敬遠しがちなJAZZ好きな方、クラシック初心者の方にもオススメの一枚です。

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