2008年09月28日

そんな腕はありません。

続く水不足。不安定なお天気、まさに世の中どうなっているのか?などと考えてしまいます。
 さて、明日さぬきに引越しをしてから、既に9ヶ月が経過しました。かなりの枚数のCDを紹介してきましたが、まだまだ紹介すべきCDは沢山残っています。出来るだけ、チマチマ、ボチボチとやっていければと思っています。ですので、
オーディオのほうもUPすべく、写真を撮るのですが、出来がイマイチでなかなか上手くいきません。プロの写真家はそれなりにちゃんとした道具も持っていますので、きれいに取れるのですが、私は何も知らない素人なので、特に光の反射が起こりやすい、金属ボディのオーディオは撮り難く感じています。私はかなり前、印刷会社で働いた経験を持っているのですが、その時にいろいろな商品の撮影にも立ち会いました。結果、言えることはパンフレットに載っている商品、あれは本物ですが、偽者です。たとえば、折などに入った料理。あれは、美しい照りを出すため、ほとんどの場合、折箱に詰めたあと、上からゼラチンを流して光るようにします。また、鍋物なんかは、あったかく見えるように、ゆでた碁石なんかをなべのそこに沈めて湯気を出したりします。箱物はあらゆる角度から光を当てて、影を消したり、あるいは影を作ったりしています。自然光では絶対にえられない、陰影をライティングでつけていきます。
 元々、折箱が商品なのに、中に高級料理を入れているのは大きな嘘のような気がするのですが、それは一言、「中の料理は商品には含まれていません」で片付けてあります。
 まあ、商業写真でいい写真を撮るためにはある程度、絵を作る技術が必要と言うことでしょうか。私にはそんな腕はありません。
 そこで今日の一枚です。


そんな腕はありません。


ドボルザーク/交響曲第9番ホ短調 作品95《新世界》より
指揮:フェレンツ・フリッチャイ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
グラモフォン(ポリドール) MGW5107

これはLPレコードです。レコーディングが1959年となっています。録音はステレオです。
この時代はレコード、まだまだレーベルを見ながら買い、聴く楽しみがありました。レコードのレーベルはCDに比べてサイズが大きいこともあり、より、アーティスティックで、芸術性に富んだものが多かったのではないかと思います。このレーベルにも、美しい風景の写真が印刷されています。今のCDで同じような写真を載せたとしても、なぜか物足りなかったり、じっくり見ることなく終わりそうなのは私だけでしょうか。
 演奏のほうは、次の時代のカラヤンとは明らかに違う響きが聴いて取れます。前の時代のフルトヴェングラー的な音の響きと言うか、密度の濃い弾力性のある重心の低い響きのようなものが感じられます。残念なことに彼は、白血病のために、50歳を迎えずしてなくなってしまいましたが、長く生きていたとしたら、カラヤンと肩を並べるか、それ以上の指揮者になっていたかも知れません。カラヤン時代になると、ベルリンフィルはよくも悪くも響きがカラヤン色一色になっていきます。それは、近代的なデジタル録音や、クラシックの大衆化には必要だったのかもしれませんが、フルトヴェングラーが守り続けたベルリンフィルの伝統の響きは失われてしまったのかもしれません。なぜか、オーケストラから懐かしい響きが感じられる、ドボルザークでもあります。
 フリッチャイの指揮でのベルリンフィルの響きを聞きたい方、ドボルザークの《新世界》よりを聞いてみたい方にオススメです。(CDで他の曲とカップリングされて今は出ているようです。)


同じカテゴリー(今日の一枚)の記事画像
指輪物語、その7。
指輪物語、その6。
指輪物語、その5。
指輪物語、その4。
指輪物語、その3。
指輪物語、その2。
同じカテゴリー(今日の一枚)の記事
 今までに紹介したCD、その7。 (2011-01-12 22:58)
 今までに紹介したCD、その6。 (2011-01-11 23:28)
 今までに紹介したCD、その5。 (2011-01-10 23:07)
 指輪物語、その7。 (2011-01-09 22:28)
 今までに紹介したCD、その4。 (2011-01-07 23:01)
 指輪物語、その6。 (2011-01-06 23:29)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
削除
そんな腕はありません。
    コメント(0)