2008年01月03日

原点に帰ると。

この記事は2004年3月16日の記事を加筆修正したものです。
 今日はダッパーの新年練習はじめ。 新年、明けていろいろなことに対しても新しい気持ちで取り組みたいと思ったりするのですが、このじき、一度振り返って原点からスタートするのにもいい時期なのかもしれません。
 そこで、今日の一枚、今日の展覧会の絵。

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/
        ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ラヴェル/ボレロ、ドビュッシー/海
グラモフォン
(ユニバーサルクラシック、ポリドール) UCCG-3317

ここで、カラヤン/ベルリンフィルは、前にやったじゃないか、と言う野暮な話はしないで下さい。実はこちらの方が古い演奏の盤なのです。私が中学校の時にはじめて聴いたのはこの演奏でした。当時は、CDなどではなく、レコードで、それを友人にカセットテープに録音してもらい、聞いていました。今でもそのカセットテープがありますがテープがもう駄目になっていて、聴くに耐えないものになってしまいました。私にとって「展覧会の絵」の原点でもあります。
 演奏の方は、こちらの方が遅いテンポでゆったり進む場面が多い感じです。ただ、新しい録音と、ほとんどテンポに違いがない部分もあり、その部分に関して言えば、どちらも、全くといっていいほど、同じテンポです。演奏年代には20年以上の隔たりがあるのに、このテンポの再現は恐ろしいほどです。プロムナードは全体に遅めですが、それぞれは色彩感豊に演奏されています。古城のサックスソロは、新盤と同じ、ダニエル・デファイエ氏による美しく甘美な音色です。古城もこちらの方がテンポが遅く、どちらかと言うと、寂れた城のイメージとしてはこちらに軍配が上がるかと思います。
アチェルランドはあまり極端にやらない傾向です。ババ・ヤーガーとキエフの大門の間は、やはりカラヤンらしく盛大に開けます。
キエフの旋律の4小節ごとの後半は、トランペットの主旋律のみが、旋律の流れとして吹いて、後はそれにはっきりと和音をつける感じです。トランペットは、新盤と違い派手なビブラートを使っています。
全体的には少し大上段に構えた感じの演奏で、オケの主張にカラヤンが妥協したとも感じられる部分もあるような気がします。緻密さで言えば新盤の方が明らかに整理された緻密な演奏ですっきりした印象を受けると思います。
 イメージとしては、巨大なキャンバスに向かい、多少扱いにくい高級な筆を時折力でねじ伏せながら、描ききった絵。
 デファイエ氏のゆったりとした甘美な演奏を聞きたい方にオススメ。(私は断然このテンポの方が好みです。)また、初めて展覧会の絵という曲に触れる方にもオススメの一枚。
 


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