2008年08月21日

編曲、原曲。

今日もよい天気ですが、夕方から次第に天気は下り坂になる模様です。次の台風も近づいています。表現はよくないかもしれませんが、今年はどうも台風の当たり年のようです。
 さて、現在11月のサクソフォーン・アンサンブルの演奏会に向けてラージアンサンブルの練習のも始まっているのですが、曲を編曲して演奏する、ということに関していろいろ考えることがあります。吹奏楽などの場合、特にオーケストラの曲を編曲して演奏する機会も多いのですが、なぜかその場合、自分が演奏するとなると、吹奏楽版でいい演奏があってもオーケストラ版の原曲を参考に聞きたがる人が多いようです。かく言う私もその一人なのですが、ひとつには原曲のテイストを大切にする、ということと、編曲はあくまで編曲で大切なのは原曲、という意識があるのだと思いますが、所詮は編曲した時点で別物になっているのも事実です。吹奏楽がいつまでたってもオーケストラを超えられないのは、いまだに多くのオーケストラの編曲作品にしがみついていることと、このコンプレックスのようなオーケストラへの執着だという方もいるようですが、どうなのでしょう。私は、確かにそういった面もあるものの必ずしもそうとも言い切れないと思っています。
 世の中には星の数ほど曲が存在していて、もちろん、星の数ほどその曲の編曲も存在しています。場合によっては編曲されたものの方が親しまれるようになり、有名になったものもあります。私は編曲は原曲に手を加えることによって新たな命を与えたり、新たな可能性や方向性を付加するものだと思っていますが、皆さんはいかがなのでしょうか?
そこで今日の一枚です。



編曲、原曲。


PIAZZOLLA FOR TWO
フルート:パトリック・ガロワ
ギター:イェラン・セルシェル
グラモフォン(ポリグラム) POCG-1985

このCDはパトリック・ガロワ氏によるピアソラの曲集です。
曲目はすべてピアソラの曲で、タンゴの歴史、 ブエノスアイレスの四季、 6つのタンゴ的エチュード、タンゴ第2番・タンゴ組曲からの4曲が収録されています。
 タンゴの歴史などはいろいろな場面で聞くことのある曲ではないかと思いますが、オリジナルはどうもフルートとギターのための音楽だったようです。今では様々な楽器で様々な形で演奏されるために、このフルートとギターという組み合わせを聞くことが逆に少なくなってしまっているようにも思います。
 演奏のほうは秀逸です。ただ、もう少しピアソラらしいごつさというか、粗野な部分というか、があってもよかったのかもしれません。もしかしたら聞く人によると、ピアソラ的ではないという人もいるかも知れません。少し控えめの表現と感じられないことも無いですが、飄々とした感じが逆にいいかもしれません。
 フルートがお好きな方、ピアソラがお好きな方にオススメの一枚です。


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編曲、原曲。
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