2008年08月06日
楽譜、レンタル譜に怒。
さて、先日楽譜をコピーしました。コピーするといっても、普通に売っている楽譜をコピーすると、違法になりますが、我々が、依頼して書いてもらった楽譜を、書いた人の許可の下コピーしているので、間違いなく合法です。
話は少し変わりますが、楽譜は実に廃盤、絶版になるのが早いもののひとつです。初期ロットがなくなっても増刷しない、ということが普通にあります。だから、あの曲をやりたい、と思ってあわてて楽譜を探しても、そのときはすでに幻の楽譜、ということがたびたびあります。楽譜は出たときに買っておくのが鉄則なのでしょうか。しかしながら、アンサンブルの楽譜などは実に値段が高く設定されています。たかが演奏時間五分程度のカルテットの楽譜が一万円以上することもあります。出たときにすぐに買う、というわけにも行かない金額です。このことが逆に違法コピーを産んでいるような気もするのですが。できるだけ、長い間安価で出版し続けてもらえると、ユーザーとしてはありがたいのです。
コピーに対するオリジナルの保護、という面では常にいたちごっこが繰り広げられています。音楽CDもしかりなのですが、延々繰り返されるこのいたちごっこはなにか根本的な解決がないと、終わることは無いと思います。今のようにCCCDなんかで対処していてはユーザーの数を減らすだけで、何の解決にもなっていません。
楽譜の中で、レンタル譜、というあこぎな商法もあります。(言っておきますが、すべてがあこぎではないし、法律的にもレンタル譜は何の問題もありません)楽譜を貸す、ということなのですが、その楽譜はレンタルでのみ演奏が可能で、演奏回数や、試用期間などに期限がある、というシステムです。なぜか、レンタルで著作権などが保護されている上に、楽譜の印刷が不要なのにもかかわらず、売り譜よりも高額なことが多いのです。ユーザーにしてみれば、どうしても演奏したい曲ならば、借りるしかないのですが、高額なお金を払っても、財産としては残らない上に、楽譜を借りなければ、二度とその曲は演奏できません。一部、良心的な価格設定の場合もありますが、ほとんどは、なぜか「管理費が高くつく」という名目で、レンタル料が高額です。管理費が高くつくのならいっそのこと出版してくれ、と思うのですが、実情はレンタル譜のほうが違法コピーを防げる上に、出版譜の何倍も儲かる、ということが理由のようです。
こうやって見てみると、レンタル譜という産業は一部のお金持ちしか相手にしない、音楽振興なんかとは程遠い産業に見えてきます。実際、吹奏楽コンクールの自由曲などとしてはやると、たくさんの学校がレンタルするわけですが、大抵、10分足らずの曲を演奏するがために、ひどい場合は10万円近く払う必要があります。しかも、期限が過ぎるか、演奏回数が過ぎるかすると、返却しなければなりません。
私はレンタル譜にするならば、少なくとも、売り譜よりも値段が上がることの無いようにするべきだと思っています。出版社によってはよく売れる楽譜を突然レンタルにしたりするさらにあこぎなことを行っているところもあります。
そこで今日の一枚です。
ANDRE CLUYTENS Conducts
Ravel:Daphnis et Chloe
指揮:アンドレ・クリュイタンス
パリ音楽院管弦楽団
TESTAMENT SBT 1128
このCDは巨匠クリュイタンスによるラヴェルの「ダフニスとクロエ」全曲が収録されたものです。一緒に収録されているのはフランクの交響詩「プシュケ」です。残念ながら名盤との誉れが高い東京公演のライブではありません。
実は、この通称ダフクロこれまた、楽譜がレンタルなのです。人気曲だけあってか、様々なアレンジのものが存在するようですが、大抵、レンタル代金は3万円~7万円程度です。中学校や高校では、これをコンクールの演奏に使うがために借りるところがあるかと思うと、ご愁傷さま、といった感じでしょうか。レンタル代、高すぎます。安い楽器が何か買えます。
演奏のほうは巨匠クリュイタンス、そしてパリ音楽院。演奏者の名人芸を殺すことなく、適度に手綱を緩めながら、全体の響きをまとめている印象です。ラヴェルの演奏にしては
旋律がわかりやすいのも特徴かもしれません。実はこの曲はほかにデュトワ盤なども持っているのですが、全体のラヴェルらしい雰囲気ではデュトワ盤、そして、旋律の歌い方や、管楽器の演奏クオリティの高さではクリュイタンス盤といったところでしょうか。
ダフクロ好きなすべての方に、フランス人によるフランス音楽の演奏を聞いてみたい方にオススメの一枚です。
11.か
話は少し変わりますが、楽譜は実に廃盤、絶版になるのが早いもののひとつです。初期ロットがなくなっても増刷しない、ということが普通にあります。だから、あの曲をやりたい、と思ってあわてて楽譜を探しても、そのときはすでに幻の楽譜、ということがたびたびあります。楽譜は出たときに買っておくのが鉄則なのでしょうか。しかしながら、アンサンブルの楽譜などは実に値段が高く設定されています。たかが演奏時間五分程度のカルテットの楽譜が一万円以上することもあります。出たときにすぐに買う、というわけにも行かない金額です。このことが逆に違法コピーを産んでいるような気もするのですが。できるだけ、長い間安価で出版し続けてもらえると、ユーザーとしてはありがたいのです。
コピーに対するオリジナルの保護、という面では常にいたちごっこが繰り広げられています。音楽CDもしかりなのですが、延々繰り返されるこのいたちごっこはなにか根本的な解決がないと、終わることは無いと思います。今のようにCCCDなんかで対処していてはユーザーの数を減らすだけで、何の解決にもなっていません。
楽譜の中で、レンタル譜、というあこぎな商法もあります。(言っておきますが、すべてがあこぎではないし、法律的にもレンタル譜は何の問題もありません)楽譜を貸す、ということなのですが、その楽譜はレンタルでのみ演奏が可能で、演奏回数や、試用期間などに期限がある、というシステムです。なぜか、レンタルで著作権などが保護されている上に、楽譜の印刷が不要なのにもかかわらず、売り譜よりも高額なことが多いのです。ユーザーにしてみれば、どうしても演奏したい曲ならば、借りるしかないのですが、高額なお金を払っても、財産としては残らない上に、楽譜を借りなければ、二度とその曲は演奏できません。一部、良心的な価格設定の場合もありますが、ほとんどは、なぜか「管理費が高くつく」という名目で、レンタル料が高額です。管理費が高くつくのならいっそのこと出版してくれ、と思うのですが、実情はレンタル譜のほうが違法コピーを防げる上に、出版譜の何倍も儲かる、ということが理由のようです。
こうやって見てみると、レンタル譜という産業は一部のお金持ちしか相手にしない、音楽振興なんかとは程遠い産業に見えてきます。実際、吹奏楽コンクールの自由曲などとしてはやると、たくさんの学校がレンタルするわけですが、大抵、10分足らずの曲を演奏するがために、ひどい場合は10万円近く払う必要があります。しかも、期限が過ぎるか、演奏回数が過ぎるかすると、返却しなければなりません。
私はレンタル譜にするならば、少なくとも、売り譜よりも値段が上がることの無いようにするべきだと思っています。出版社によってはよく売れる楽譜を突然レンタルにしたりするさらにあこぎなことを行っているところもあります。
そこで今日の一枚です。
ANDRE CLUYTENS Conducts
Ravel:Daphnis et Chloe
指揮:アンドレ・クリュイタンス
パリ音楽院管弦楽団
TESTAMENT SBT 1128
このCDは巨匠クリュイタンスによるラヴェルの「ダフニスとクロエ」全曲が収録されたものです。一緒に収録されているのはフランクの交響詩「プシュケ」です。残念ながら名盤との誉れが高い東京公演のライブではありません。
実は、この通称ダフクロこれまた、楽譜がレンタルなのです。人気曲だけあってか、様々なアレンジのものが存在するようですが、大抵、レンタル代金は3万円~7万円程度です。中学校や高校では、これをコンクールの演奏に使うがために借りるところがあるかと思うと、ご愁傷さま、といった感じでしょうか。レンタル代、高すぎます。安い楽器が何か買えます。
演奏のほうは巨匠クリュイタンス、そしてパリ音楽院。演奏者の名人芸を殺すことなく、適度に手綱を緩めながら、全体の響きをまとめている印象です。ラヴェルの演奏にしては
旋律がわかりやすいのも特徴かもしれません。実はこの曲はほかにデュトワ盤なども持っているのですが、全体のラヴェルらしい雰囲気ではデュトワ盤、そして、旋律の歌い方や、管楽器の演奏クオリティの高さではクリュイタンス盤といったところでしょうか。
ダフクロ好きなすべての方に、フランス人によるフランス音楽の演奏を聞いてみたい方にオススメの一枚です。
11.か
Posted by のりくん at 18:40│Comments(0)
│今日の一枚