2008年06月02日

回想する。

本日は比較的良い天気の一日となりました。
さて、高松ウインドシンフォニーの定期演奏会も終り、演奏会もひと段落かと思いきや、サンポートのヨンデンプラザでの演奏、そして、来週は御殿浄水場での夕ぐれコンサートと、まだまだ演奏が目白押し。とてもアマチュア演奏家とは思えません。
ところで、数年前の高松ウインドシンフォニーの定期演奏会でレスピーギの「ローマの松」がを演奏しました。さらにこの曲は、私が高校三年生の時に定期演奏会で演奏した曲でした。当時私はバリトンサックスだったのですが、1楽章はタチェット、2楽章は演奏個所が約、8小節、3楽章は演奏個所が約4小節、終楽章は音がでかくて目だつと言う理由で頭をカットされ、最後の20小節ぐらいをやっとチューバと一緒に吹かせてもらえる状態でした。20分以上ある曲で、楽器を吹いたのはほんの2~3分程度でした(泣)。でも、今思うと、懐かしい思い出です。今回はソプラノ&アルトサックスのパートなのですが、練習の旅に当時のことを回想してしまいます。
そこで、今日の一枚です。




回想する。

レスピーギ「ローマの松」(ローマ三部作)
リッカルド・ムーティ指揮
フィラデルフィア管弦楽団
東芝EMI(グランドマスターシリーズ) TOCE-3331

このCDはムーティ指揮フィラデルフィア管による、レスピーギのローマ三部作。1984年に録音されたもので、1985年度のレコード・アカデミー賞にも輝いています。世間の評判としては、スタンダードな名演といわれるものでしょう。実は以前、デュトワ指揮、モントリオール響の演奏を紹介しましたが、私の好みはやはりどちらかというとデュトワ盤になります。
 「ローマの松」という曲はレスピーギの「ローマ三部作」の第2作目にあたり、第一作目の「ローマの祭」と比べて、さらにオーケストラの編成は大きくなり、なんと舞台のうらにもう一つバンダと呼ばれる、ブラスバンドを用意したり、また、テープによって鶯の鳴き声を出すことを指定するといった珍しいこともなされています。終楽章の「アッピア街道の松」はローマ軍の行進を表したもので木管楽器から、華々しい金管楽器の響きに移りながら、バンダが登場して、エコーのような効果を生んでいます。高校時代、確か、バンダが遠いところから演奏して、音がずれて聞こえるのに戸惑った記憶があります。
 演奏は、デュトワ盤が精緻なアンサンブルと流麗な響きを聞かせるのに対し、ムーティ盤は強い推進力と強調されたリズム、きらびやかで華やかな響きが特徴です。ただ、デュトワ盤に比べ、アンサンブル的にルーズな部分も見られるのが残念に感じます。個人的には、(そんなことは絶対にありえないのですが、)音色はムーティ盤で、曲の解釈や、アンサンブルの精緻さは、デュトワ盤という演奏があれば最高なのだと思います。
 好みが分かれるところもあると思いますが、どちらも間違いなく名演です。「ローマ三部作」を聴き比べてみたい方、イタリア人指揮者によるレスピーギ(イタリア人)の演奏を聴いてみたい方にオススメの一枚です。


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