2008年05月21日

記録媒体に思う。

今日は晴れです。一日良い天気になりそうです。昨日までの数日間がウソだったかのような爽やかな天気になりました。
さて、昨日は、楽譜のペーパーレスについて少し書きましたが、皆さんから、いろいろなご意見や話題の提供をいただいて、ありがたくおもっています。
 紙というのは一種のアナログ式の記録媒体です。レコードに溝を刻むように文字という記号を紙に鉛筆やペンで書き込んでいく行為になります。これを保存するとなると、綴じて保管するほかに方法はありませんでした。その後、写真にとってマイクロフィルムに保存して保管するという方法も使われてきましたが、銀塩フィルムに焼き付けることはまだアナログ処理でした。これは丁度、銀塩写真と、デジタルカメラで撮影した写真が違うことを考えていただければよいと思います。
 音を記録する行為も、最初はアナログのレコード、続いて、磁気媒体(カセットテープなど)そして、デジタルへと移行してきました。
 時代が移り変わっていく中でいろいろな記録媒体が用いられてきましたが、基本的に筆記による紙への記録は永久的になくならない気がします。レコードや、カセットテープがほぼ死滅状態に追いやられていくのに対し、紙への筆記という行為はいまだにスタンダードな手段です。ワープロが普及しても、PCが普及して高性能化しても変わりなく、文字の記録の最も標準は紙への筆記です。
 文字を記録することが完全にデジタル化されることは未来永劫無いのかもしれません。そう考えると、ペーパーレスになることは望めないかもしれません。この先技術や文化の変化によってどうなるかは分かりませんが。
そこで今日の一枚(というより、今日は一本?)

THE NOVA SAXOPHONE QUARTET
CRYSTAL RECORDS C153(輸入盤)

これはCDではなく、カセットテープです。今から20年位前まではどこでも見かけたミュージック・テープと言う代物です。但し、録音はちゃんとデジタル録音です。で、テープだから、随分昔に買ったかといえばそうでもありません。せいぜい4~5年、前です。なぜか、CDは存在していませんでした。今でもそうですが、おそらくアメリカやヨーロッパではまだカセットテープが現役のメディアであるところも多いようです。ただ、録音の方は結構古いのかも知れません。
 内容はTHE NOVA SAXOPHONE QUARTETによる、サクソフォーン四重奏曲集です。クレリスの「序奏とスケルツォ」、アブシルの「ルーマニア民謡による組曲」、ピエルネの「民謡風ロンドによる序奏と変奏」など、クラシカル・サクソフォーンの四重奏曲としてはスタンダードな曲目となっています。
 演奏は可もなく不可もなく?と行った感じです。少し音色がクラシカルではない部分も感じたり、バランスの悪さを感じたりもしますが、全体的に聞くと、ある程度参考演奏にしても良い演奏だと思います。また、アブシルの「ルーマニア民謡による組曲」は比較的全曲録音の少ない曲目なので貴重かもしれません。
 ただ、これだけ録音再生可能なデジタルメディアに占領された日本では、このテープを家庭で聴くことすらできない人がいるのではないかと思ったりします。現に、カセット・デッキは持っていないが、MDデッキは持っているという人も多数いるようです。
 カセットテープが聞ける環境の方で、サクソフォーンを吹く中高生を始め一般の方々にオススメの一本です。


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