2008年05月06日

連休中。その3

今日ででGWも終わり、世間は明日からお仕事モードなのでしょうか。
 さて、高松ウインドシンフォニーでは、数年前までゲストを迎えてコンチェルトを毎年のように演奏していました。ただ、最近はコンチェルトを取り上げていません。最後のコンチェルトの演奏は第20回の記念定期演奏会で、トランペットと、クラリネットのゲストをお呼びしてコンチェルトをやりました。それまでにもトランペット、クラリネット、フルート、マリンバ、トロンボーンなどの方にコンチェルトを演奏してもらいました。第20回の演奏会は記念ということでプロのミュージシャンを2人お招きしてのコンチェルトでした。トランペットは各方面でプロとして活躍している香川県出身の寺島昌夫氏、クラリネットはシエナウインドでも活躍していた近藤悟史氏でした。
 吹奏楽における木管楽器のコンチェルトは特に気を使います。特にフルートやクラリネットのコンチェルトで、もとの伴奏がオーケストラで、それを編曲したものだったりすると、かなり気を使います。オーケストラと、吹奏楽では根本的なダイナミックレンジがちがいます。弱音のレンジもオケにはなかなか勝てません。弦楽器には必殺、弱音器というものもあるので吹奏楽ではかないっこ無いのです。
 で、その当時のコンチェルトの本番ですが、トランペットの方は私は降り番(演奏に参加していない)だったので、聴くだけでした。感想は、本番が一番いい演奏だったな、と言うことと、プロの方も緊張しているんだな、ということでした。演奏に明らかに緊張感がありました。これも、練習のときや、リハのときを知っているから判ることだと思うのですが。でも、寺島さん、熱い、いい演奏でした。
 クラリネットの方は私もステージに乗ったのですが、先日書いた通り、高校時代の恩師、I先生の指揮に緊張し、さらに弱音の発音に緊張し、さらに本番ということで緊張し、という緊張の連続でした。寿命がちぢむ思いでした。(笑)こちらも、本番の演奏が一番いよい演奏だったと思います。近藤さんは中学校の時の先輩なので、身近に凄い人がいるという思いで感激しました。
そこで今日の一枚。


ロッシーニ&クロンマー/クラリネット協奏曲
ザビーネ・マイヤー(クラリネット)
ウォルフガング・マイヤー(クラリネット)
指揮:イエルク・フェルバー
ヴェルテンブルグ室内管弦楽団
東芝EMI TOCE-6111




このCDはベルリンフィルのクラリネット奏者も勤めたことがあるザビーネ・マイヤーとその兄ウォルフガング・マイヤーがそれぞれにクラリネットソロを吹いているコンチェルトのアルバムです。
この中のロッシー二作曲の「クラリネットと管弦楽のための序奏、主題と変奏 変ロ長調」を今回の演奏会で取り上げました。このCDの中ではザビーネ・マイヤーが吹いています。
 このCDの演奏の方ですが、とにかく凄い、の一言に尽きます。極端に速いテンポ、完璧なまでのフレージングと技術、何をとっても超一級品です。今回我々の演奏会にきてくださった近藤さんでさえ、あの速さでは無理、吹けない、と仰っていたほどです。
 一つ、残念なのは演奏のリピートの2回目に当たる部分で明らかに演奏をつないだ後が見られること。リードを変えたのか、録音した時間が極端に違うのか判りませんが、響きが別物のようになってしまいます。リテイクを繰り返す録音現場では結構、一発撮りではないことも多いようです。
 しかし、それをさしいても素晴らしい演奏です。
 クラリネットを吹かれている方、クラリネットのコンチェルトを聴いてみたい方、少し上品でおしゃれな音楽を聴いてみたい方にオススメの一枚です。


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