2008年04月28日

人間業とは。

先日、高松ウインドシンフォニーで「動物の謝肉祭」の「白鳥」のソロを吹きました。
自分で吹いていて、自分の音色に凹んでしまうわけですが…。
サクソフォーンを趣味で吹き続けることはや○十年。へたっぴなので、色々課題は多いのですが、最近いつも思うのは音色と、全音域での音色の統一感。
良い音色を目指すのは当たり前なのですが、それに加えて、全ての音域で統一された音色が持てることが最近どれほど難しく重要なことかと感じています。
そもそも、ロングトーンをはじめとした基礎練習が不足しているので、音色の統一どころか、もっともっと基礎的な部分をクリアしなければならないのが事実なのですが…。
そこで今日の一枚。


「Saxophone For A Lady」
BIS CD-1020


このアルバムは、クロード・ドゥラングルによる、ドビュッシーやラヴェルの作品が収録されたもの。ドゥラングルの控え目なビブラートと、ストレートで上品な音色で聴くと、またミュールらの演奏とは違う趣で聞こえてくるのが不思議です。しかし、ドゥラングルの演奏を聴くと、いつも思うのはその徹底的ともいえる、音色のコントロール。プロの演奏やCDでも、特に低音のコントロールに関しては音色の変化が聞いて取れるものも多い中、ドゥラングルの演奏だけは、徹底して、低音でも同じ音色に統一されています。低い音域でも音色が変わらないので、どこか不思議な感覚すら覚えるほど。楽譜を見ると音を聴くと確かに、低い音域にも関わらず、まるで中音域のように飄々とコントロールしているかのような演奏です。
ドゥラングルの端正で飄々としながら、柔らかく美しい演奏が聞けるオススメの一枚です。

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