2008年04月20日

リード楽器奏者は悩むのだ。

先日、漸くリードを買いに行ってきました。本番が間近なことを考えると、今更リードを買っても間に合わないとのかもしれませんが。数年前、チャレンジャー精神を発揮して、合成樹脂製のリードで「レジェール」を購入したこともありました。管楽器をされたことの無い方は「リード」が何かもわからないと思いますが、サクソフォーンやクラリネット、オーボエや、バス-ンといった木管楽器には一般的にリード楽器と呼ばれ、リードというアイスクリームのへらを一回り小さくしたような、植物から作った板を振動させて発音しています。当然、植物である為、個体差があり、寿命があります。因みに、植物とはケーンと呼ばれる葦。葦は形状は竹に似ています。
サックス、クラリネットはシングルリードと言ってマウスピースに一枚のリードをつけて振動させます。一方、オーボエやファゴットはダブルリードと言って、マウスピースが無く、リード2枚を使って振動させています。ダブルリードはストローでつくった笛や草笛のような発音の仕組みを想像していただければよいと思います。メーカーによって違いはありますが、リードはアルトサクソフォーン用で一箱10枚入り2000円程度かなり痛い出費になります。おまけに植物なので全てが自分にあっているわけでもなく、当然当たり外れがあってそのためコスト的には私は使えるリード1枚は500円から1000円くらいとコスト計算しています。一方、ダブルリードは既製品を買うとオーボエ用で2000円くらいします。ただし、ダブルリードの方はプロとかだと、自分で削ってリードを作る人が多く、材料費はそうかかりませんが、道具が結構お高いので大変です。(アマチュアの方は既製品を買うことも多いようです。)
 リードの選択は常に悩みの種です。自分がいいと思っていても客席で聞いている人にはよくないと思われるリードも存在します。そして、吹きやすい=いい音が出るではないこともあります。たまに練習の時に人に離れたとことで聞いてもらってリードを決めることもあります。神経を使います。ダブルリードの奏者はリードがもっとシビアに影響するのでもっと苦労していることと思います。
悩み多きリード選びなのです。
小難しいことをたくさん書きましたが、そこで今日の一枚。


リード楽器奏者は悩むのだ。


パナシェ/ルヴァンヴェール木管五重奏団
ラヴェル/クープランの墓他
大澤明子(フルート)、成田恵子(オーボエ)
藤井洋子(クラリネット)、岡本正之(バス-ン)
藤田乙比古(ホルン)、須川展也(アルトサクソフォーン)
ALMレコード コジマ録音 ALCD-3035

このCDはラヴェルのクープランの墓を木管5重奏に編曲したものをはじめ、近代の木管五重奏作品が収録されたもの。比較的若手の日本人演奏家による演奏です。
 実はクープランの墓はオーボエ吹き泣かせの曲。特にオケ版の演奏ではたった一人で難しいフレーズをしかも弱音で明瞭に吹き始めなければならないという過酷さです。もちろん、この木管5重奏の中でも同様です。
 演奏は非常によく整理され、各楽器の存在が明瞭なもの。泥臭さや、こってり感はなく、軽やかな印象です。近代的な音楽なのでこの演奏や雰囲気は大正解なのでは、と思っています。しかし、叱りとしたダイナミクスもある演奏です。尚、トマジの「春」が収録されていて、演奏に著名な須川展也氏が加わっています。この曲はフランスサクソフォーン界の重鎮、ジャン・マリ・ロンデックス氏の委嘱で書かれたトマジの作品なのですが、特殊な編成のためか、あまり演奏を聞きません。
 木管五重奏の近代的響きを聞きたい方、オーボエをはじめダブルリード楽器を演奏される方、木管五重奏はモーツアルトやハイドンしか聞いたことが無い、といわれる方にオススメの一枚です。


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