2008年04月12日

突然に。

私は鼻炎持ちで、何が原因かわかりませんが、突然に発症することがあります。うっとうしいことに、発症するのは突然なのに、症状が治まるのには、数日を要します。真夏であろうが、真冬であろうが、関係なく発症します。鼻炎ということだけで医者にはかかっていないので何のアレルギーなのか、またはアレルギーではなく他の原因があるのかも今ひとつはっきりしていません。病院に行ったとき、鼻炎であることを告げると、対処療法としてこ抗ヒスタミン剤を処方してくれますがあれはとんでもなく眠くなるし、だるくなるので私はあまり飲んだことがありません。別に医者の処方に文句を言うわけではないのですが、あんなものを大量に飲んでいると、一日、何も出来ずに終わってしまいます。生活が成り立たなくなります。
 突然といえば、突然聴きたくなる音楽があったりします。普段はそうでも無くても、あるとき思い出して真剣に聞いてしまうような音楽、皆さんにはありませんか?
そこで今日の一枚。
 

突然に。
チャイコフスキー
交響曲第4・5・6番《悲愴》
エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
ビクターエンターテイメント 3枚組
(グラモフォン) UCCG-3312/4

このCDは近年発売されたムラヴィンスキー&レニングラードフィルによるチャイコフスキーの名盤中の名盤。チャイコフスキーの最もメジャーな交響曲3曲がそれぞれ1枚のディスクに収録されています。当時としては珍しく西側での演奏、ステレオ録音、巨匠ムラヴィンスキーによる手兵レニングラードフィルの演奏、しかも数少ない彼らの正規スタジオ録音となれば名盤にならざるを得ないほどのディスクです。当時はLPレコードとして単品で販売されていましたが、現在はこの3枚組としてCDで販売されています。
 演奏は、現在の自由主義の社会では絶対に不可能なほど、統制された音楽。オケが完全にムラヴィンスキーの楽器として響いているイメージです。よく、ムラヴィンスキーの音楽は冷徹といわれたりもしますが意外に暖かな表現もあったりします。しかし、その折り目の正しさ、細部まで整理され磨かれた有様は半端なものではありません。もちろん、演奏のミスなど、犯すことすらもってのほか。何年も鍛錬し、鍛え上げられたものを、どこにも隙間が出来る事無く、美しく桐箱に詰めた感じ。さらに、その桐箱にはシミ一つ、キズ一つつくことを許さないような演奏です。あまりにも美しく、左右が均等な芸術品は冷たさを感じるのと似ているのかもしれません。そこには個性の無さよりも、逆に強烈な個性を感じます。
 これからチャイコフスキーの交響曲を聞こうと思われている方、現在の指揮者のモダンなチャイコフスキーを聞き飽きた方、きちんと統制されると音楽はある意味ここまで美しくなることを感じさせてくれるオススメの一枚です。


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