2009年02月13日
我流フラジオ奏法。
最近の曲では、結構当たり前にフラジオが楽譜に書かれたりしています。
その昔、クラシックサクソフォーンの神様、マルセル・ミュール氏は、
イベールのコンチェルティーノ・ダ・カメラに書かれていたフラジオを
フラジオせずに、作曲者である、イベールにオプションにするように
進言したといわれています。
もともと、この曲の初演は、同時代に生きた奏者、シグルート・ラッシャー氏に
よって行われる予定で書かれたそうで、ラッシャーシは、逆にフラジオを駆使した
奏法が得意だったといわれています。
ということで、フラジオ奏法が行われるようになったのは、どちらかというと、
ジャズの世界のことなのかもしれません。
しかし、近年クラシックの世界でも作曲者が当たり前のようにフラジオを楽譜に
記譜するようになりました。
作曲者にとっては可能性を広げる音域拡大なのでしょうが、
例えば、ピアノの楽譜に音域外の音を書く作曲者はまず居ないはず。
高考えると、フラジオを楽譜に書いて強要する作曲者のわがままなのかも知れません。
もっとも、最近のプロの奏者で、フラジオが扱えない人はほぼ居ないと思われます。
さて、私とフラジオの出会いですが、大学生の頃にさかのぼります。
高校時代、私は、ほとんどバリトンサクソフォーンだけを吹いていました。
勿論、フラジオという奏法があるということは何となく知っていましたが、
自分に出来る奏法とは思っていませんでしたし、バリトンの楽譜には、
フラジオなど、まず書かれていないのが普通でした。
高校生の時、坂口新氏編曲の、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」の
終楽章で、ソプラノサクソフォンにフラジオが登場したのが、実際のフラジオを
身近に感じたときでしたが、当然、バリトンでしたので、あまり興味もなく、
当時は、勿論、インターネットなど存在していなかったので、情報もないまま
大学生となりました。
大学生の時に、今では吹奏楽の定番となったニューサウンズ版のスクエアの「宝島」
の楽譜をアルトで吹くときに初めて、フラジオにチャレンジすることになりました。
当時、須川展也氏のニューサウンズの演奏は当然のようにフラジオしていて、
楽譜にもフラジオのソロが書かれていました。
ところが当時の私は、フラジオの運指も知らない、バリトンからアルトに変わったばかりで
記譜上のF♯が鳴らしかねる状態でした。
今のように、フラジオに関する書物や、情報もそれほどはありませんでした。
やっとのことで、たまたまどこかから見つけたフラジオの運指表。
多分、バンドジャーナルの記事の一部か何かだったと思いますが、
これを手に入れたのも本当の偶然で、たまたま大学の部室の片隅に、
ばらばらになった雑誌が捨ててあり、そのばらばらのページの一枚に
フラジオの運指があったのです。
今では、まずオーヴァートーンの練習をするように言われますが、
そんな情報や知識があるわけでもなく、
当時は、ひたすらF♯から、Gが出るように、GからG♯が出るように、という
ロングトーンを少しずつ、繰り返していくしかありませんでした。
因みに、私は身近なところでプロにレッスンを受けたことが全くありません。
当時の感想としては、
1.倍音の関係で、フラジオでも鳴らしやすい音、鳴らしにくい音がある。
2.アンブシュアと、喉の形、したの位置がポイントになりそう
3.最初は全くならなくても、慣れれば、コントロールできるようになる
4.最終的には、音がなることよりも運指に苦労する
というものでした。
宝島のソロにはHまでしか使わなかったので、
なんとか強引にHの音が出るまでにはしましたが、
当時は、まだまだ噛むことによって力で強引にフラジオを鳴らしていた記憶があります。
そして、数年前、ニューサウンズの「イマジン」のアドリブソロで、ついに記譜上の上のCまで登場する
楽譜にお目にかかりました。
このときは、インターネットなどで、情報を集めることもでき、改めてフラジオの練習をすることに
なるときに大変助けになったのを覚えています。
で、感想としては、
1.G♯がかなり鳴りにくい。Gは音がひっくり返ってその上の倍音が出やすい。ただし、運指を工夫すると解消される。
2.意外といい加減な運指でもコントロールさえすれば音が鳴る。
3.音量を欲するがために息を入れすぎると鳴らなくなる。
4.コントロールできるようになってくると、逆に噛むと出ないことが判ってくる
5.舌の奥を下げるように、息のポイントは絞るように、加えは少し深めぐらいで柔らかく。喉の形はKhyやKho。
6.フラジオでも音程が高いのは下げやすいが、低いのはあげ辛い。
7.やっぱり運指が難しい。
と言ったところ。
あくまで我流です。
そして、実は本当に曲で使い物になるほどのものにはいまだになっていません。
中高生の皆さん、フラジオは可能性を広げてくれるすばらしい奏法の一つですが、
もっとその前にやっておくといいことが沢山ある気がします。
アドリブソロは、フラジオを書き換えてでも無理にフラジオすることは無いと私は思います。
私自信もフラジオする前にもっとやるべきことが沢山あると思っています。
いや、何が言いたいのか自分でもよくわかりませんが、
フラジオは無理にやるものではなく、
どうしても必要に駆られた時に取り組んでも遅くは無いと私は思うのです。
巷では、オーヴァートンをすると、音色がよくなるので、フラジオの練習も含めてやるべきだ、
というような意味のことを書いている方もたくさんいらっしゃいます。
事実、そうなのかもしれませんが、
私はオーヴァートーンだけが音色をよくする方法ではないと思うのです。
マルセル・ミュールがオーヴァートーンのトレーニングをしていたとは思いづらいのですが…。
現代の音色とは全く違いますが、
是非、皆さん、ミュールの音を聞いてみてください。
きっと新しい発見があるはず。
その昔、クラシックサクソフォーンの神様、マルセル・ミュール氏は、
イベールのコンチェルティーノ・ダ・カメラに書かれていたフラジオを
フラジオせずに、作曲者である、イベールにオプションにするように
進言したといわれています。
もともと、この曲の初演は、同時代に生きた奏者、シグルート・ラッシャー氏に
よって行われる予定で書かれたそうで、ラッシャーシは、逆にフラジオを駆使した
奏法が得意だったといわれています。
ということで、フラジオ奏法が行われるようになったのは、どちらかというと、
ジャズの世界のことなのかもしれません。
しかし、近年クラシックの世界でも作曲者が当たり前のようにフラジオを楽譜に
記譜するようになりました。
作曲者にとっては可能性を広げる音域拡大なのでしょうが、
例えば、ピアノの楽譜に音域外の音を書く作曲者はまず居ないはず。
高考えると、フラジオを楽譜に書いて強要する作曲者のわがままなのかも知れません。
もっとも、最近のプロの奏者で、フラジオが扱えない人はほぼ居ないと思われます。
さて、私とフラジオの出会いですが、大学生の頃にさかのぼります。
高校時代、私は、ほとんどバリトンサクソフォーンだけを吹いていました。
勿論、フラジオという奏法があるということは何となく知っていましたが、
自分に出来る奏法とは思っていませんでしたし、バリトンの楽譜には、
フラジオなど、まず書かれていないのが普通でした。
高校生の時、坂口新氏編曲の、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」の
終楽章で、ソプラノサクソフォンにフラジオが登場したのが、実際のフラジオを
身近に感じたときでしたが、当然、バリトンでしたので、あまり興味もなく、
当時は、勿論、インターネットなど存在していなかったので、情報もないまま
大学生となりました。
大学生の時に、今では吹奏楽の定番となったニューサウンズ版のスクエアの「宝島」
の楽譜をアルトで吹くときに初めて、フラジオにチャレンジすることになりました。
当時、須川展也氏のニューサウンズの演奏は当然のようにフラジオしていて、
楽譜にもフラジオのソロが書かれていました。
ところが当時の私は、フラジオの運指も知らない、バリトンからアルトに変わったばかりで
記譜上のF♯が鳴らしかねる状態でした。
今のように、フラジオに関する書物や、情報もそれほどはありませんでした。
やっとのことで、たまたまどこかから見つけたフラジオの運指表。
多分、バンドジャーナルの記事の一部か何かだったと思いますが、
これを手に入れたのも本当の偶然で、たまたま大学の部室の片隅に、
ばらばらになった雑誌が捨ててあり、そのばらばらのページの一枚に
フラジオの運指があったのです。
今では、まずオーヴァートーンの練習をするように言われますが、
そんな情報や知識があるわけでもなく、
当時は、ひたすらF♯から、Gが出るように、GからG♯が出るように、という
ロングトーンを少しずつ、繰り返していくしかありませんでした。
因みに、私は身近なところでプロにレッスンを受けたことが全くありません。
当時の感想としては、
1.倍音の関係で、フラジオでも鳴らしやすい音、鳴らしにくい音がある。
2.アンブシュアと、喉の形、したの位置がポイントになりそう
3.最初は全くならなくても、慣れれば、コントロールできるようになる
4.最終的には、音がなることよりも運指に苦労する
というものでした。
宝島のソロにはHまでしか使わなかったので、
なんとか強引にHの音が出るまでにはしましたが、
当時は、まだまだ噛むことによって力で強引にフラジオを鳴らしていた記憶があります。
そして、数年前、ニューサウンズの「イマジン」のアドリブソロで、ついに記譜上の上のCまで登場する
楽譜にお目にかかりました。
このときは、インターネットなどで、情報を集めることもでき、改めてフラジオの練習をすることに
なるときに大変助けになったのを覚えています。
で、感想としては、
1.G♯がかなり鳴りにくい。Gは音がひっくり返ってその上の倍音が出やすい。ただし、運指を工夫すると解消される。
2.意外といい加減な運指でもコントロールさえすれば音が鳴る。
3.音量を欲するがために息を入れすぎると鳴らなくなる。
4.コントロールできるようになってくると、逆に噛むと出ないことが判ってくる
5.舌の奥を下げるように、息のポイントは絞るように、加えは少し深めぐらいで柔らかく。喉の形はKhyやKho。
6.フラジオでも音程が高いのは下げやすいが、低いのはあげ辛い。
7.やっぱり運指が難しい。
と言ったところ。
あくまで我流です。
そして、実は本当に曲で使い物になるほどのものにはいまだになっていません。
中高生の皆さん、フラジオは可能性を広げてくれるすばらしい奏法の一つですが、
もっとその前にやっておくといいことが沢山ある気がします。
アドリブソロは、フラジオを書き換えてでも無理にフラジオすることは無いと私は思います。
私自信もフラジオする前にもっとやるべきことが沢山あると思っています。
いや、何が言いたいのか自分でもよくわかりませんが、
フラジオは無理にやるものではなく、
どうしても必要に駆られた時に取り組んでも遅くは無いと私は思うのです。
巷では、オーヴァートンをすると、音色がよくなるので、フラジオの練習も含めてやるべきだ、
というような意味のことを書いている方もたくさんいらっしゃいます。
事実、そうなのかもしれませんが、
私はオーヴァートーンだけが音色をよくする方法ではないと思うのです。
マルセル・ミュールがオーヴァートーンのトレーニングをしていたとは思いづらいのですが…。
現代の音色とは全く違いますが、
是非、皆さん、ミュールの音を聞いてみてください。
きっと新しい発見があるはず。
Posted by のりくん at 20:02│Comments(0)
│雑感